社長の独り言

 私は、地元の魚津西部中学校、魚津高校を卒業後、東京の中央大学に入学しました。
 大学卒業後、東京でキヤノン販売という会社に就職しました。正直な話、当初は実家の仕事である仏壇店に入るつもりはなかったですし、父も無理矢理帰ってこさせる事はしませんでした。しかし、いろんな事情があって4年後の平成元年に今の仏壇製造販売の道に入りました。
 小さい頃から家の仕事は見ていましたが、実際にその仕事についてみるとわからないことばかりです。最初はとまどうばかりでしたが、ある出来事があって、それが今も私の心の根底にあります。そのことを少しご紹介します。
 
 それは、私が入社して1年程経った頃の事です。魚津市の隣の黒部市のお客様でした。当店にご来店され200代のお仏壇をご注文いただきました。入社して1年ですから、それまでにも何度も納品に行っておりましたので、だいぶ慣れた頃でした。いつものように、お仏壇を納品して仏壇の中の配線も終わり、私の父とお客様とが、いろいろと世間話をしている時に、ふと隣の部屋からお客様の家の80才程のおばあさんが入ってこられました。
 私が、おばあさんにいろいろお仏壇の話をしていると、そのおばあさんは「こんなにいいお仏壇を入れていただいて、本当にありがとうございます。」と涙を流しながらお礼を言って下さいました。それまでにも数多くお仏壇の納品に出かけましたが、涙を流してまでお礼を言われたのはその時が初めてでした。
  私はその時初めて、「この仕事に就いて本当によかった。」と心から思いました。「私どもは、普通に仕事をしてお金を頂いているのに、これほどまでに喜んでいただける仕事なのだ。」と本当に感動しました。実を言うと、「もしかしたら、前の会社にいた方がよかったのかなあ」と思ったこともありましたが、その時に、ようやく「このお仏壇の仕事を一生続けていける」と思ったのです。
  たわいもない話かもしれませんが、このときの感動は、今でも心の中に強く残っています。それからも苦しい事やつらい事・悩んだ事など、いろんな事がありましたが、あの時の事を思い出し、乗り越えてこられたのだと思います。この世の中に、涙を流してまで喜んでいただける商売なんてそんなに数多くはありません。これからも、あのときの感動を忘れずに、お客様に喜ばれるお店作り、そして「あの店から買って本当によかった」と思われるようなお店作りを心がけて参りたいと思っています。

(有)五十嵐仏壇店
代表取締役 五十嵐 尚寛

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