製造元だからこそ感じられる喜び
 
 当社は、自社工場でお仏壇を製造しています。仏壇の木地を作るための材木から仕入れ、木地を製作し、下地をして研磨を繰り返し、上塗りをして金箔を押し、金具を打ち、組み立てます。
 もちろん私も職人の一人として、下地の研磨をしたり、金具を打って組み立てをしたりしています。そうした作業の中で時々思うのは、「この仏壇はどこのお家へ行って、お祀りされるのだろう?」と言うことです。ですから、お店で当社のお仏壇をお選び頂きご購入いただいた時には、他社製品をご購入いただいた時とは別の、特別な感情があるのです。
 勘違いなさらないで下さい。決して、お客様を区別しているわけではありません。この感情はものを作って販売している方には、きっとご理解頂けるのではないでしょうか?例えば、バザーなどで、自分の手作りのぬいぐるみが売れたらとってもうれしいですよね。自分の作ったものが「こういうのが欲しかったんだ。」とか「これ素敵だよね。」と言われて購入されたら、なんだか自分が褒められているような気がして、うれしくなってしまいます。こうした感情は、製造元だからこそ感じられる喜びだと思います。
 ですから、当店では自社製品はもちろん、他社からの仕入れ品にも、いい加減な気持ちで価格を設定することができないのです。仕入れ品も必ずその会社の職人が作っています。作り手の気持ちがわかるからこそ、しっかりと商品を吟味し価格を設定しているつもりです。
 県内には多くの仏壇店があり、中には大幅な値引きをしているお店もあります。価格の設定や商売のやり方はそのお店の自由ですから、私がとやかく言うことではありませんが、当社はそうした商売を致しません。大幅な値引きをすれば、その時は安く感じられるかもしれませんが、「それじゃあ元々付いていた値段はどうなってるの?」という疑問が出てきます。それは、最終的にはお客様の不信感を招くことになり、ひいては仏壇業界全体への不信感に繋がりかねません。
 どうか、こうした仏壇職人の気持ちをご理解下さい。その上で改めて仏壇という商品を見直してみていただけませんでしょうか?
 お仏壇をお求めになる最大の理由は、亡くなられた方を偲び供養するため、そしてご先祖をお祀りするためだと思います。同時に、宗派毎のご本尊をお祀りし仏の教えに触れ、日々の感謝を示す事もお仏壇をお祀りする目的となります。
 お客様のお話を聞くと、不思議なもので今までお仏壇がなかったご家庭でも、お仏壇を購入した後はお仏壇の前に行くようになるそうです。そして、自然とご先祖様のことを思うようになったり、心の中でいろんな事を考えるきっかけになったりするそうです。事実、私もお仏壇の前に座ると何となく気持ちが落ち着くような気がします。
 お仏壇を前にして手を合わせ、心の安らぎを得る。私を含め当社の職人が心を込めてお作りしたお仏壇や当店でお求めいただいたお仏壇で、そうした心の安らぎが得られたとすれば、それは私たち仏壇職人にとってこの上ない喜びです。
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